モバイルバッテリーの容量WhをmAhから計算する方法

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モバイルバッテリーの容量をmAhからWhに変換する方法
モバイルバッテリーやカメラなど電子機器の予備バッテリーを航空機に持ち込む際の持ち込み条件はWh(ワットアワー)単位の容量で指定されています。しかし、市販されているほとんどのモバイルバッテリーに記載されている容量はmAh(ミリアンペアアワー)単位ですので、判断のためにはmAhからWhに変換する必要があります。この記事では、この容量変換の方法についてわかりやすく説明します。
まとめ
・Wh = V(電圧)× mAh(バッテリー容量)÷ 1000
・リチウムイオン電池の場合は
Wh = 3.7 (V) × Ah(バッテリー容量)÷ 1000

mAhからWhへの変換

変換式は以下の通りです。

Wh = V(電圧)× mAh(バッテリー容量)÷ 1000 (式1)

Wh(ワットアワー)は、電池に溜めることができる電力容量です。

一方、モバイルバッテリーに記載されているmAh(ミリアンペアアワー)は「ためている電力をもし1時間で全部放出したとき、どのくらいの電流を流せるか」を表しています。電力容量(Wh)が大きいバッテリーは、ためている電力を1時間で全部放出しようとするとたくさんの電流を流すことができるので、mAhの値も大きくなります。よってmAhの数値が大きければWhも大きくなります。

電力容量は、以下のように定義されます。

Wh=電圧(V)×電流容量(Ah) = 電圧(V)×電流容量(mAh) ÷ 1000 (式2)

よってmAhをWhに変換するには、mAhにモバイルバッテリーの電圧をかければよいということになります。

リチウムイオン電池の場合のmAhからWhへの変換

現在、モバイルバッテリーやカメラの予備バッテリーに使用されているほとんどの電池はリチウムイオン電池です。
リチウムイオン電池の電圧は3.7Vですので、リチウムイオン電池の場合のmAhからWhへの変換式は以下のようになります。

Wh = 3.7 (V) × Ah(バッテリー容量)÷ 1000

モバイルバッテリーがリチウムイオン電池かどうかを判別するには、バッテリーに表示された識別マークを確認すればよいです。
あなたのモバイルバッテリーにLi-ionと書かれた下のマーク(スリーアローマーク)が記載されていれば、それはリチウムイオン電池です。
リチウムイオン電池のマーク電池の見分け方については「電池の種類の見分け方と捨て方」の記事に詳しく説明していますので、参考にしてみてください。

簡単換算表

国内線の場合のモバイルバッテリーの持ち込み条件は以下のようになっています(2021/12時点)。

容量 制限
100Wh以下 持ち込み可
100~160Wh 持ち込み可(最大2個まで)
160Wh以上 持ち込み不可

以上のように50,100,160Whが持ち込み条件の境界になるケースが多いようです。

目安になるように、それらの境界値でのWh→mAhへの換算表を記載します。

モバイルバッテリーの表示 Wh単位の容量
27,027 mAh以下 100 Wh以下
27,027~43,243 mAh 100~160 Wh
43,243 mAh以上 160 Wh以上

詳細な持ち込み条件は利用される航空会社のWebサイトで直接ご確認ください。

まとめ

この記事ではモバイルバッテリーやカメラなど電子機器の予備バッテリーの容量をmAh表示からWh単位へ変換する方法について紹介しました。
変換式は以下のとおりです。
・ Wh = V(電圧)× mAh(バッテリー容量)÷ 1000

リチウムイオン電池の場合は、定格電圧が3.7Vですので、

・ Wh = 3.7 (V) × Ah(バッテリー容量)÷ 1000

もっと学びたい方へ

リチウムイオン電池ってどんな仕組みで動いているの?って興味がある方。リチウムイオン電池の仕組みについては「リチウムイオン電池の仕組み【基本をわかりやすく】」のページで説明していますので参考にしてみてください。