リチウムイオン電池を安全に廃棄する方法
・プラス極とマイナス極にテープを貼って絶縁して捨てましょう
リチウムイオン電池の廃棄方法
結論から言うと、リチウムイオン電池は市町村のゴミでは捨てることができません。2001年に施行された「資源の有効な利用の促進に関する法律」に基づき、回収・リサイクルが定められています。つまり捨てるのでなく、リサイクルしてもらうわけです。
これはまず第一に安全のためです。チリウムイオン電池の中には可燃性の有機溶媒が入っており、外からの強い圧力によって発熱・発火の危険があります。可燃ゴミや不燃ゴミはそういった危険物が含まれない想定で扱われるため、リチウムイオン電池が混入していると事故の危険があります。実際に、このような事故は近年多発しており、消防庁や各種自治体から注意が喚起されています。決して燃えるゴミや不燃コミとして捨てないでください。
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リチウムイオン電池を回収するもう一つの理由は、資源のリサイクルのためです。リチウムイオン電池には主な材料としてニッケルやコバルトなど希少な資源が使われています。リチウムイオン電池がどんどん作られると将来的に資源が足りなくなり、リチウムイオン電池の価格が上がってしまう可能性があります。限りある希少な資源をムダなく使うことは、使用するみんなのためにもなるのです。
リチウムイオン電池の回収場所
リチウムイオン電池の回収は、家電量販店、ホームセンターまたはスーパーなどのリサイクル協力店で実施しています。
リサイクル協力店は、下記のホームページでご確認ください。
例えば、家電量販店なら、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ケーズデンキ、ヤマダ電機、エディオンなどで回収してもらえます。
リチウムイオン電池を捨てるときの注意点
リチウムイオン電池は間違った扱い方をすると発熱や発火の危険性がありますので、捨て方にもいくつか注意点があります。
1. 捨てる前に電池の種類を確認する
電池は種類によって捨て方が異なります。間違った捨て方をすると事故にもつながります。まず、捨てようとしている電池がリチウムイオン電池かどうかを確認しましょう。
リチウムイオン電池には下のようなリサイクルマークが印刷されています。このマークがあることを確認しましょう。
リチウムイオン電池と同じ捨て方ができる電池として、ニカド(ニッケルカドミウム)電池とニッケル水素電池があります。これら2種類の電池にもリサイクルマークが印刷されています。
ニカド電池 ニッケル水素電池
2. セロハンテープやビニールテープなどで電極(+極、-極)を覆う
すべての電池に言えることですが、使い切ったつもりの電池でも電気が残っている場合があります。このとき、電極(+極と-極)がショート(短絡)すると、残っていた少しの電気でも大きな電流が流れてしまうため、発熱や発火が起こる危険性があります。リチウムイオン電池が回収されるときには複数の電池がまとめて(例えば1つの袋に入れられて)扱われますので、電極が金属類やほかの電池と接触することによるショートの可能性があります。
危険なショートを防ぐために、セロハンテープやビニールテープなどで電極部分を覆っておくようにしましょう。まとめて捨てようと思って一時的に小袋にためておくときにも、電池1つ1つビニールテープ等を電極に貼って絶縁しておいてください。
3. 捨てる前にチリウムイオン電池を絶対に分解しない
捨てるために分解する必要はありません。使用している機器から工具などを使わず取り外しさえすれば問題ありません。
リチウムイオン電池には可燃性の有機溶媒が含まれてるため、分解すると発熱や発火の危険性が非常に高いです。決して分解しないようにしてください。
消防局や電池工業会が正式に電池の分解は決して行わないように発信しています。
もっと学びたい方へ
リチウムイオン電池ってどんな仕組みで動いているの?って興味がある方。リチウムイオン電池の仕組みについては「リチウムイオン電池の仕組み【基本をわかりやすく】」のページで説明していますので参考にしてみてください。